七峯の丘から

邸内社竣工遷座祭 [平成31年3月30日]


 ここ数日、解体や選挙関係のお祓いが続いた中、今日は邸内社のお祓いを奉仕しました。
 邸内社とは宅地内にある小さな神社のことで氏神様とも呼ぶことがあります。
 そのご家庭の守り神として一族の祖先神を祀ったのが始まりですが、全国的にはお稲荷様を祀っているところが多いです。
 当地佐倉は尚更その傾向が強いんですよ。その理由としては稲荷神が麻賀多様こと稚産霊命の御子神にあたるからなんです。
 産土神社として親神である稚産霊命をお祀りし、各家庭では御子神である稲荷神を祀る。言わば親子の神様方に御守り頂いている形になるのです。
 なので10月に頒布する邸内社に収める幣束は稲荷御幣と呼んでいます。
 今日奉仕したお宅は六崎区の氏子総代を務めて頂いている方で、神社のことはもとより地区の行事なども率先して活動して下さり、宮司としてはとてもお世話になっております。
 木の香しい真新しい社と御影石の鳥居は、一見すると境内の摂社クラスの立派さ。近年ここまでのクラスの邸内社は見たことがありません。
 式では新しい社を清い祓いして神籬となる幣束を収めます。そして祝詞奏上の後、施主から玉串奉奠を行ないました。
 今回は邸内社だけではなく井戸の覆い屋も新造されたので、式後にそちらもお祓いをして直会となりました。
 近年邸内社を粗末にする方が見受けられます。しかし、必ずといっていいほど余り宜しくない末路を迎えているのが現実です。
 私達の見えないところで御守り頂いている神様方。その御存在を知るのが手遅れになった時ではないように、常に神恩感謝の気持ちを持っていたいですね。