七峯の丘から

土用の入りと鰻さん [平成30年7月20日]


 皆さんは土用と聞いて何を思い浮かべますか? 殆どの方が「土用の丑の日」からの「うなぎ」と続く事と思われます。
 俗説ですが、今で言うコピーライター的存在だった平賀源内が、夏に商売あがったりの鰻屋に頼まれて考えたキャッチコピーが「本日土用丑の日」。これが今に続く土用の丑の日=うなぎとなったとされます。
 実は土用というのは夏だけでは無く、春夏秋冬の年4回あるのです。
 そもそも土用とは立春・立夏・立秋・立冬の前18日を指し、その期間には動土を始めないとされてきました。
 近年は土用中でも地鎮祭がありますが、一昔前まではその地鎮祭すら土用には行ないませんでした。
 今の思考では土は茶色ですが、昔は黒と見立てていました。そして丑は牛。今でこそ牛のイメージはホルスタイン種の白と黒ですが、日本古来で言うと黒毛です。
 この黒と牛の「う」から、土用の丑の日には「うの字」がつくものを食べると良いとさてきました。
 それで言うと鰻も皮目が黒いので問題はありませんが、近年の鰻高騰により鰻の蒲焼き等の代用品が出回っております。
 それは鰻に代わってナマズやサンマ、そして豚肉を使った蒲焼き。もうアホとしか言いようがありません。
 「うの字」が付くものを食べるから良いんで有って、蒲焼きを食べるが主になっており本末転倒。特にイオン系、本当に何を考えているのやら。そしてそれを土用の丑の日だからとありがたがって買う方、本当に噴飯物です。
 鰻が高くて買えない。それだったら梅干しで良いじゃないですか。うどんでも瓜でも良いんです。蒲焼きに固執してばっかりに本義を忘れると大手企業にコケにされますよ。
 最後に。今年は夏の土用の丑の日が2回あります。今日と8月1日です。
 さっきも書きました、鰻だけじゃ無いんです。うの字が付くものであれば良いんです。 そして8月1日は宮司の誕生日です。以上、本日の七峯はここまで!