七峯の丘から

曳き廻しはないけれど [令和2年9月27日]


 9月も残りわずか。昼間でも虫の音が聞こえるようになりましたが、ミンミンゼミも今期最後の頑張りなのでしょうか、1匹ですが一生懸命に鳴いておりました。
 「秋深き隣は何をするひとぞ」は松尾芭蕉の有名な句ですが、境内西側にある並木町の神酒所倉では片岡祭礼委員長を始とする町内の若い衆が御神酒所の点検と虫干しをしておりました。
 同町の御神酒所は4年前、失火によりその殆どが焼失する事態に襲われ、一年半を掛けてほぼ新造の状態で完成を見ました。
 一昨年にお披露目と御例祭で曳き廻しを行ないましたが、昨年の台風と今年の流行病で他町と同じく2年連続でお休み。
 しかし、上記の様に新しい部材が多い事もあり、防カビの観点も合わせて定期的に点検と虫干し行なっています。
 神酒所倉内では屋根に布とビニールのシートと重ねて格納しているのでホコリなどは問題がありませんが、今年の長梅雨の影響も心配なところでした。
 幸い問題などはなく、再び神酒所倉に仕舞われましたが、作業中に「このまま町内まで持って行っちゃおうか!?」などの軽口も聴かれ、やはり祭事中止に対するやるせない気持ちが素直に現れているのがよく判りました。
 いつでも御神酒所が曳き廻せる状態にしておく。それが若い衆の役目。冗談を言い合いながらもしっかりと役目を果たすその姿に感心と感謝です。