七峯の丘から

筍、今日も茹でます [令和3年4月11日]

立派な筍

落し蓋をすると早く煮えますよ
 土日の2日間が連続で晴れたのは久しぶりのこと。なのでたくさんのお参りがあり、境内は観光地の神社ではないかと見まがう感じでした。
 鯉のぼりを揚げたことをSNSでアップしておりますので、その様子を見ようと来社された方も見受けられました。
 当社のHPやSNSは宮司がコツコツと更新しておりまして、俗に言う素人の延長線といった感じですのでどれだけの影響があるのか諮りかねますが、見ている方は見てくれているんだなと嬉しく思います。
 今日の宮司個人のSNSは筍の下処理についてアップしました。
 今出回っている筍は孟宗竹で、真竹よりも太い種類ですね。原産は中国とされ、名の由来は三国時代の孟宗が母親のために筍を掘った事に由来しているそうです。
 なるほどと言う由来なのですが、その当時は孟宗竹は何と呼ばれていたのか、ふと疑問が湧いてくるのです・笑
 日本へ入ってきたのは諸説有りますが、全国へ広まったのは薩摩藩が琉球王国経由で取り寄せ、それが広まったというのが定説みたいです。
 だとすると、江戸時代の話なのですが、数百年で日本全土に広がるなんて、中々たくましいですね。
 竹は食すだけでなく、弓矢などの武器や建築資材。竹炭など利用価値が沢山有ります。
 しかし、戦後の里山管理の衰退や中国から安価な筍が大量に輸入されたことにより竹林が放置されその結果、植栽地が大繁殖しているのが現状です。
 当地佐倉や東隣の酒々井は竹林が多く、この時期は毎日のように筍を頂きます。
 筍は掘った後直ぐに内部にアクが生成され始め、それが食べたときのえぐみになってしまいます。
 なので筍を頂いたらその日のうちに茹でて調理用に下処理を済ませることが肝心。 宮司家ではその役目が宮司なのです。
 筍を茹でる際のポイントはついている泥を洗い流し、先端を斜めに切ります。また縦方向に2本くらいの切り込みを入れ、皮を4枚くらい剥いで水から強火で煮ていき、下部の固いところに竹串がスッと入るようになったら弱火にして約一時間。
 その後は鍋に入れたまま一昼夜ほど自然に冷ますのです。
 茹でる際は米糠、無ければ洗う前のお米は一掴み。そして鷹の爪1本を鍋に入れましょう。うちでは地鎮祭で上がった玄米を入れて茹でていますよ。
 皮を全部剥がないのは筍の旨味が煮汁に全部出てしまわないようにするためで、冷却が済むと、皮と身がすぽっと外れますので心配ご無用。
 このように下処理して保存用袋などに入れて冷蔵庫で保管すればちょっとした時に直ぐ使えて便利ですよ!
 地元産の筍を沢山頂けると言う事は、竹林がちゃんと管理されている証しでもあります。
 水煮缶も良いですが、筍を茹でるという一手間掛ける事で竹林の保護育成にも繋がっているのですね。