七峯の丘から

仮鎮座での初午祭 [令和6年2月12日]

「祭典準備完了」

「初午祭祝詞奏上」
 三連休納めの日。この2日間よりは落ち着いておりますが、時間帯によっては授与所に列が出来まして、流行病時の頃を思い出すに、人流が戻ったんだと実感します。
 ただ、インフルエンザが大流行中で、多分日本でしかカウントしていないであろう流行病の第10波に入ったそうなので、忘れて入るであろう手洗いなど、今一度見直してみましょうね。
 今日は初午。全国のお稲荷様では初午祭が齋行される日です
 何故、午の日なのか?それは全国に鎮座する稲荷神社の本社となる伏見稲荷大社の御鎮座と深く関わります。
 伏見稲荷大社は和銅4年(711)にその神体山とされる稲荷山に御祭神が降臨され、その日が2月最初の午の日でした。
 上記に全国の稲荷神社でと書いたのですが、全国には3万社以上の稲荷神社がありまして、一般で言う神社の他に、企業や工場の敷地にも多くのお稲荷様がありまして、当然の如く神主の数はそれより少ない。
 なので、12日後の二の午や24日後の三の午で祭典を執り行うところも有り、当社管轄では富里市七栄の紅葉山稲荷神社が二の午で齋行しています。
 さて、当社の境内摂社である若宮稲荷神社において、午前10時より初午祭を宮司が斎主として執り行いました。
 現在、新社務所建設のため仮鎮座地での祭典で、御本社の幣殿が真横。
 同時刻には御殿で御祈祷が行なわれており、初午祭の宮司の祝詞と祈祷の智勇権禰宜の祝詞が同時に境内に流れるレアケースとなりました。
 初午祭のお供え物の一番はやはり「いなり寿司」。今朝、禰宜画伯が手作りしたもので、俵型を3つ重ねました。
 なぜ油揚を煮たものに酢飯を詰めたものを「いなり寿司」というのか?
 それはお稲荷様の眷属(けんぞく)である狐さんと大きな関係があります。
 眷属とは神様のお使いのこと。お稲荷様自体に狐さんをお祀りしていると思う方もいるほど、その結びつきは強いのですが、理由は以下のようになります。
 狐は里山に暮らし、田圃の畦などに巣を作る鼠などの小動物を捕食していました。
 畦に穴が空くと水が抜けてしまい、米作りに重大な影響が出ますね。それを防いでいたのが狐。
 その狐の体毛は黄金色で、尾っぽ到っては撓わに実った稲穂に見えます。
 煮付けた油揚げは狐色で、それに豊作萬歳で収穫したお米を沢山詰めて米俵に見立てる。
 これを狐寿司とは言わないで、いなり寿司と呼ぶのは豊穣をもたらすお稲荷様と実動の狐さんを同一視したからでしょうね。
 いなり寿司、買ってくるのも美味しいですが、比較的簡単に作れますので、是非ご家庭で作ってみて下さい。
 因みに中に詰める酢飯にガリを入れても美味しいですよ!!