七峯の丘から

椎の王冠 [令和6年5月8日]

「かわいい王冠」

「一面の雄花」
 今朝の境内。昨日の嵐のような空模様で、鯉のぼりの緋鯉が1匹飛ばされておりました。
 お陰様でどなたかが拾ってくれたらしく、拝殿前のテーブルにおりまして、行方不明にはならずに済みました。
 多分、朝のお参りの方だろうと思いますが、ありがとうございます!!
 やはり天候の影響で、境内一面には椎の落ち葉や落枝が散らばっておりまして、宮司と智勇権禰宜でお掃除。
 宮司の身体が程良くほてってきたところで、氏子さんのお母様の神葬祭奉仕のために四街道まで出向して来ました。
 昼過ぎに帰社して、朝の掃除で境内にまとめた落ち葉などを見ると、沢山の王冠が混ざっていたんですよ。
 まあ、本物の王冠だったら大騒ぎなのですが、この時期は椎の花が咲くんです。
 その雄花が王冠そっくりで、それも漫画やおとぎ話に出てくるような形の王冠なんです。
 椎の木と一般に呼んでおりますが、東日本ではスダジイ、西日本ではツブラジイという種類が多く、当社は場所柄スダジイになります。
 でもここでは椎と書かせて頂きまして、椎は一本の木に雄花と雌花が咲く「雌雄同株」なんです。
 雄花がついた花軸はその年に伸びた新しい枝の元から垂れ下がっているので、比較的目につきやすいです。
 雌花は花軸が雄花よりも短く、新枝に立つように咲くので、下から見ても判りづらい構造になっています。
 この雄花と雌花が受精をして、雌花が生長すると、秋頃に椎の実が出来上がります。
 話を今日に戻しますと、境内は椎の花の匂いが漂っております。独特な臭いでして、栗の花の臭いに似ていますね。
 これを初夏の香りと表現するか、あの臭いと表現するかはその人次第ですが、椎の花は俳句では夏の季語になります。
 俳句には
「旅人の心にも似よ椎の花」
松尾芭蕉
「椎の花人もすさめぬにほひかな」
与謝蕪村
とございます。
 宮司、俳句には強い方ではありませんで、その心は皆さんの感じたままに。
 夕方になってまた風が強くなってきました。明日の朝も箒片手に頑張りますか!!